消化器がん検診にあたっての新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応について
今般の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対しては、国・厚労省を始めとする各所より感染拡大防止の取組が要請されているところであり、消化器がん検診の実施にあたっても国の指針や自治体・企業等の要請ならびに各検診機関における体制等を考慮した感染防止対策が求められます。
4月以降には2021年度対策型検診として実施する住民検診や職域検診、また人間ドックとして実施する任意型検診等が開始されること思いますが、その実施にあたっては、地域の感染状況を踏まえ、実施主体である自治体や企業、また医師会等と実施の可否につき綿密な打ち合わせを行い、検診実施の延期や中止等も含めた対応をとるようお願いします。また、個別の任意型検診については、関連学会等からの情報も踏まえ、各施設で検診実施の延期・自粛も含めた対応について十分に検討するようにお願いします。
検診実施にあたっての対応について
新型コロナウイルス感染状況は日々変化しており、地域によっても対応に差異がありますが、各施設においては、国のCOVID-19対策本部より示される基本方針を踏まえ、適切な感染防止対策を講じるようお願いします。
※内閣官房: https://www.cas.go.jp/jp/influenza/novel_coronavirus.html
厚労省: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html#houshin
消化器がん検診を実施する場合、本学会では以下の点に配慮し感染拡大防止に努めることを推奨します。
1. | 37.5℃以上の発熱や咳・倦怠感等がある受診者については検査を延期する等の措置をとることが望ましい。 |
2. | 受診者に対面する検診スタッフにはマスク装着やアルコール手指消毒の徹底を図るとともに、発熱・咳・倦怠感等のある者は業務に従事させない等の対応を考慮する。 |
3. | 集団検診の実施にあたっては、特にバス検診などの場合は、クラスター発生のリスクが高いとされる以下の3つの条件にならないように会場設営等について十分に配慮する。 ①換気が悪い密閉空間、②多くの人が集まる密集場所、③間近で会話や発生する密接場面 |
4. | 高頻度に接触する可能性のある機材等(X線装置や超音波プローブも含む)はアルコールや抗ウイルス作用のある消毒剤含有のクロスで清拭消毒する等の対策を講じる。 |
5. |
1次検診ならびに精密検査としての上下部消化器内視鏡検査の実施にあたっては、スタンダードプリコーションを徹底する。なお、日本消化器内視鏡学会の提言※ では、フェースシールド付きマスク(またはゴーグル+マスク)、手袋、ガウン(長袖)等の自己防護具の着用が推奨されている。 |
今回記しました内容については、政府等からの情報更新に伴い随時改正される可能性があります。
2020年3月
一般社団法人日本消化器がん検診学会
理事長 渋谷 大助