消化器がん検診にあたっての新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応について(第5報)
緊急事態宣言解除後の消化器がん検診の再開にあたっての注意について
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の再拡大を受けて、1月8日に東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の1都3県、1月14日から栃木県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県を対象に、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が発出されました。今後、対象地域も増える可能性が高い状況が続いております。
緊急事態宣言下における各種健診等の取扱いについては、
令和2年5月26日付け通知「新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言の解除を踏まえた各種健診等における対応について」#1の「第3 緊急事態宣言が再度行われた場合の対象地域における各種健診等の実施について」において、
1.健康増進法に基づく健康診査等の各種健診・保健指導等(以下1において「各種 健診・保健指導等」という)の実施について
各種健診・保健指導等の実施については以下のとおりとすること。
ア 緊急事態宣言の対象地域における各種健診・保健指導等であって、 | |
① 集団で実施するものについては、緊急事態宣言の期間において、原則として実施を延期すること。 ② 個別で実施するものについては、各自治体において、その実施時期や実施 方法、実施の必要性や緊急性等を踏まえ、関係者や実施機関等と適宜相談の 上で実施するかどうか判断すること。 |
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イ 延期等により、各種健診・保健指導等を受診できない者には、別に各種健診・ 保健指導等を受ける機会を設けること。 |
とされているところです。
「集団」および「個別」で実施するものについては、それぞれについて、「三つの密が生じる環境かどうか、すなわち①密閉空間(換気の悪い密閉空間である) ②密集場所(多くの人が密集している)③密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる) という3つの条件が生じうる環境かどうかという観点で判断してください」と厚労省通知・別紙1・Q&A#1に記載されています。
検診実施の判断にあたって、がん検診の必要性については、「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」に基づく検診が、がんによる死亡率を減少させる効果があることを踏まえ、できる限り早期に受検するとともに、検査結果に応じた受診等の行動につながるようにすることが重要とされていることに留意してください。
消化器がん検診を実施するにあたって、本学会では第4報#2に示す点に配慮し感染拡大防止に努めることを推奨します。
#1 令和2年5月26日付け通知;https://www.mhlw.go.jp/content/000633977.pdf
#2 日本消化器がん検診学会「消化器がん検診にあたっての新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応について(第4報)」;http://www.jsgcs.or.jp/importants/archives/32
なお、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部では、冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気について#3、外気温が低い環境下において、新型コロナウイルス感染症のリスク要因の一つである「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気と室温の低下による健康影響の防止を両立するために、機械換気設備等の外気取り入れ量等を調整することで、必要換気量(一人あたり毎時 30m3)を確保しつつ(換気装置のない場合は窓の開放ならびに空気清浄機の併用など)、居室の室温 18℃以上かつ相対湿度 40%以上を維持しつつ、適切に換気を行う必要があるとしています。換気が必要換気量を満たしているかを確認する方法として、室内の二酸化炭素濃度を測定し、その値が1000ppmを超えないことを監視することも有効であるとしています。下記を参照してください。
#3 冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気について;
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000698849.pdf
2021年1月20日
一般社団法人日本消化器がん検診学会
感染症対策委員会