一般社団法人 日本消化器がん検診学会

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学会概要

利益相反(COI)に関するQ&A

5.COIマネージメント(管理)の意義と実際について

76.特定の企業などから多額の報酬や助成金を得ている研究者は重大なCOI状態にあると思われますが、具体的にどのようなマネージメントをすべきですか?
重大なCOI状態が予想される研究者であっても、予め研究に携わる者、研究を評価する学会、研究者がそのような対立する利益状態にあることを社会に対して適正かつ明確に開示することが大切であり、参加する健常者、患者などの被験者が、そのことを十分理解し、熟知したうえで参加し、かつ研究者が研究の方法、データの解析、結果の解釈などを行う過程で,バイアスリスクを回避できる仕組みを作っておけば、そのような医学系研究も、正当な研究として社会的にも容認されると考えられます。
77.COIマネージメントが必要な役員(理事、委員など)とは具体的にどのような役を担う時ですか?
理事長、副理事長、理事、監事、幹事、代議員、学術集会(総会、大会、地方会)会長、各種委員会の委員長・顧問、特定の委員会(運営調整委員会、財務委員会、編集委員会、倫理委員会、利益相反委員会、将来構想委員会、教育・研修委員会、学会賞受賞者選考委員会、役員候補者詮衡委員会)委員、暫定的な作業部会(小委員会、ワーキンググループなど)の委員に就任する場合があたります。COI委員会は役員の自己申告書に記載されている企業などとの利害関係について審議し、委員長として活躍していただく場合に問題がないかどうかを検討します。
78.製薬企業から多額の研究費や奨学寄附金を受けていると、自分の専門領域で特殊な治療に関する医学系研究を行う場合、Principal Investigator (PI)(責任医師)にはなれないのでしょうか?
医学系研究においては、「余人をもって代え難し」ということがしばしばあり、COI状態が深刻なすべての医師を責任医師から排除するものではもちろんありません。産学連携による医学系研究の推進が第一でありますので、深刻なCOI状態をどのようにマネージメントすれば、運営が可能かという点をまず考えることが大切です。方法として、責任医師になってもらうが、定期的に報告書の提出を求めたり、ヒアリングを行うなどの方策を使って対応することが可能です。
79.学術集会などで、発表者が基準以上のCOI状態があるにも関わらず、COI開示を適切に行わなかったり、虚偽の申告をしたりした会員が、社会から非難された場合、学会はどう対応するのですか?
学会発表での開示が不適切であっても、それですぐ措置を取るということはありません。
しかしながら、発表者のCOI状態が深刻な社会問題となり、誹謗中傷をされた場合、学会としては発表者の立場から社会へ向けての説明責任を果たせませんので、個人の問題として対応していただくことになります。そして、その事が本学会の社会的な信頼性とか、権威を傷つける結果になった場合には、学会としてそれに応じた措置・処分を定款に従って検討することになると予想されます。
80.会員から、特定の役員について、企業・団体から提供される寄附金額はいくらかとの問い合わせがあった場合、その詳細を開示するのですか?
学会としての対応は、理事会で最終判断を行い、COI指針細則に規定されている基準額以上の寄附金があったかどうかの情報のみ提供し、金額については原則として開示しません。
81.非会員(マスコミなど)から、特定の役員のCOI自己申告書の開示請求が法的になされた場合、どう対応するのですか?
学会としては、役員の個人情報の保護を基本に、理事会で対応についての最終判断を行います。事例によっては、弁護士と相談の上、法的に対応することも想定されます。
82.ある役員が自己申告書の記載内容において虚偽の記載を行ったことにより、本学会の社会的な信頼性を著しく損なった場合、どの様な対応を行いますか?
理事長は理事会の審議を図るとともに、調査委員会を立ち上げて事実関係を含めて真相解明を行い、自己申告違反が検証されれば、その程度に応じて定款が定める手順によって処分されることとなります。

(付記:この医学研究に関する利益相反Q&Aの作成にあたっては、日本内科学会及び日本消化器病学会の利益相反Q&Aを参考にし、その骨子とさせていただきました。)

2021年9月30日

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