一般社団法人 日本消化器がん検診学会

学会概要

理事長挨拶

photo_fukao.jpg 本学会のホームページがリニューアルされることになりましたので、一言ごあいさつ申し上げます。私は、本学会の5代目の理事長にご指名いただいて2期目の2年目、任期満了も近いので、所信表明のような内容ではないことをお断りしておきます。

 本学会は、1962年(昭和37年)日本大学教授有賀槐三先生を世話人として設立された胃集検による「胃癌研究会連絡会」をもって嚆矢とし、あの甚大な被害をもたらした東日本大震災が発生した2011年(平成23年)50周年を迎えました。当初は胃がんの集団検診に従事する医師や技師、保健師らの情報交換の場でしたが、1964年「日本胃集団検診学会」に改称して学術団体としての色彩を強めていき、1982年には大腸がん検診と超音波検査による肝・胆・膵検診を守備範囲に加えて「日本消化器集団検診学会」に、さらに2006年には個別検診の普及に呼応して「日本消化器がん検診学会」に改称しています。本学会の目的は、定款第4条に「消化器がん検診に関する研究者の研究発表、知識の交換及び関連学協会との連絡、提携の場となり、消化器がん検診に関する学術の進歩と正しい検診方法の普及を図り、もって学術、文化の発展に寄与し、かつ広く人類の福祉に貢献すること」と書かれています。注目すべきは、本学会の使命として、学術的な使命のみならず「正しい検診の普及」という社会的使命が挙げられていることであります。私の知る限り、このように一般市民に対する貢献を使命として挙げている学会はきわめてまれで、本学会の存在意義を如実に表しているものと考えています。正しい検診とは、がん検診の目的である死亡率減少効果の科学的根拠が認められたうえで、その利益が検査の精度や偶発症に基づく不利益を上回っていると評価された検診ということができます。がん検診の評価については、久道班報告書(1998年厚生労働省がん検診の有効性評価に関する研究班報告書)と祖父江班報告書(2005年有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン、2006年同胃がん検診ガイドライン)により、EBMの手法に基づいた科学的検証がなされ、X線検査による胃がん検診と便潜血検査による大腸がん検診が国民に提供すべき正しい検診として推奨されています。これらの評価に供されたデータは、本学会の会員諸氏が中心となって各地で実施してきたがん検診についての膨大な情報の集積によるものであったことは言うまでもありません。しかし、その普及の指標である受診率となると問題なしとは言えません。平成24年6月に閣議決定された第2期がん対策推進基本計画でも、がん検診の受診率の目標を50%に設定していますが、平成25年度の国民生活基礎調査によれば、胃がん検診受診率は男性45.8%、女性33.8%、大腸がん検診受診率は男性41.4%、女性34.5%と目標到達にはもう少し努力が必要です。受診率向上の対策については、本学会ではシンポジウム等で取り上げて議論されていますし、厚生労働省でも研究班が組織されて検討されています。その中で強調される論点の一つとして、がん検診に対する市民の理解を高めるにはどうするかがあります。私としては、本学会の使命から考えて、今後さらに一般市民に対する広報活動を活発にしていく必要があると思っています。市民公開講座の開催、市民向けの広報紙の発行等のほか、今回リニューアルされたこのホームページの活用も大いに効果が期待できるのではないでしょうか。

一般社団法人日本消化器がん検診学会
理事長 深尾 彰

学会概要